ギルド【GJ部】 部室

112071

禁煙チャレンジ! - 犬神

2021/11/20 (Sat) 17:04:19

今4日目。
何十年も吸い続けてきただけに色々キッツい(;ω;)

ガムとか飴とか食事とか珈琲とか
とにかく常に何かを口にして誤魔化しつつ
夜になったら無理矢理に酒飲んでひたすら寝る!
(少しでも起きている時間を減らして逃げ切る作戦)

糖尿病患者と喫煙は最悪の組合せらしいって聞いたのと
やめれば一日500円節約になるってのが理由なんだけど
いやマジでしんどいw

俺、禁煙に成功したら浮いたお金で
メモデフに課金するんだ……

5日目 - 犬神

2021/11/21 (Sun) 03:07:34

自分以外の全ての存在が羨ましい、妬ましい!

食後に珈琲を飲むような自然さで
「世界なんて滅びてしまえばいいよねっ☆」
とか良い笑顔でガチに願ってしまえる程度には冷静。

6日目 - 犬神

2021/11/22 (Mon) 00:06:27

隣の家の○○がうるさいので○○して○った。
うまかった。

なんか全身がかゆい。

7日目 - 犬神

2021/11/23 (Tue) 14:20:29

うまい

かゆい……

Re: 禁煙チャレンジ! - 姫子

2021/11/24 (Wed) 00:15:34

あかん(あかん)

9日目……あるいは最後の日記 - 犬神

2021/11/25 (Thu) 04:38:03

かゆい
うま……



バイオハザード知らん人には意味不明だろうけどw


どうにか禁煙で一番キツいとこは抜けたかなぁと。
今も超辛いけど、ここまで頑張って今さら吸ってしまうと
大変な思いをした一週間以上を無駄にしちゃうので
意地でも吸えるかよ的な空気も出て来てるし(*´ω`*)

あと、我慢すれば一日約500円ずつ、使えるお金が増える!
これは色々とでかいので、有効活用したいですな。

かゆうま原文 - 犬神

2021/11/25 (Thu) 04:42:19

●飼育係の日誌

May 9, 1998
夜、警備員のスコットとエリアス、研究員のスティーブとポーカーをやった。
スティーブの奴、やたらついてやがったがきっといかさまにちがいねェ。
俺たちをばかにしやがって。

May 10, 1998
今日、研究員のおえら方から新しい化け物の世話を頼まれた。
皮をひんむいたゴリラのような奴だ。
生きたえさがいいってんで、豚を投げこんだら、奴ら、足をもぎ取ったり内臓を引き出したり
遊んだあげくやっと食いやがる。

May 11, 1998
今朝5時頃、宇宙服みてえな防護衣を着たスコットに突然たたき起こされて俺も宇宙服を着せられた。
なんでも、研究所で事故があったらしい。
研究員の連中ときたら、夜も寝ないで実験ばかりやってるからこんな事になるんだ。

May 12, 1998
昨日からこのいまいましい宇宙服をつけたままなんで、背中がむれちまって妙にかゆい。
いらいらするんで、腹いせにあの犬どもの飯を抜きにしてやった。
いい気味だ。

May 13, 1998
あまりに背中がかゆいんで医務室にいったら、背中にでっけえバンソウコウを貼られた。
それから、もう俺は宇宙服を着なくていいと医者がいった。
おかげで今夜はよく眠れそうだぜ。

May 14, 1998
朝起きたら、背中だけでなく足にも腫物ができてやがった。
犬どものオリがやけに静かなんで、足引きずって見に行ったら数が全然たりねえ。
めしを三日抜いたくらいで逃げやがって。
おえら方に見つかったら大変だ。

May 16, 1998
昨日、この屋しきから逃げ出そうとした研究いんが一人、射さつされた、て はなしだ。
夜、からだ中 あついかゆい。
胸のはれ物 かきむしたら 肉がくさり落ちやがた。
いったいおれ どうな て

May 19, 1998
やと ねつ ひいた も とてもかゆい
今日 はらへったの、いぬ のエサ くう

May 21, 1998
かゆい かゆい スコットーきた
ひどいかおなんで ころし
うまかっ です。

4
かゆい
うま

余談(全てのSAOファンに伝えたいこと) - 犬神

2021/11/25 (Thu) 05:54:06

バイオハザードのかゆうま日記はおそらく元ネタあり。
最古のMMORPGのひとつでSAOの世界観の元ネタでもある
ウルティマオンラインに存在する、とあるダンジョン
「Khaldun(ハルドゥーン)」でドロップする
かつて調査員だったゾンビたちの日記がそれ。

ウルティマオンライン(UOと略す)の中でも
異色にして今も謎のダンジョンであるKhaldun。
そこではある特定のゾンビ(3種類)を倒すと
一定確率でそれぞれに対応した日記がドロップする。

この日記自体はゲーム攻略には一切関係せず
ただ、そのダンジョンで過去に起きたおぞましい
出来事を記しているだけという、フレーバーテキストだ。

現役UOプレイヤーだった頃、うちはこの日記を
コンプリートすべく必死にKhaldunに通ったが
このダンジョンのある世界はPK可能なガチSAO世界。

攻略上なんの意味も無い日記を拾い集めるのに
いったい何年の月日を費やし、どれだけ自分の
死体の山を積み上げただろう(遠い目)

で、そこまでしてうちが集めようとした日記とは……?
ものすごく読み応えがあって面白いので
SAOファンなら時間がある時に是非!

ケース1 Grimmoch Drummelの日記(全9冊) - 犬神

2021/11/25 (Thu) 06:04:52

熱心なSAOファンのために、SAOの元ネタとなったUOという世界が
こんなディープなものだったと是非知って欲しいので掲載します。

Khaldunダンジョンでドロップする、とある探索部隊、隊長の日記。

<1日目>
 この古代遺跡の荘厳な外観の素晴らしさについては、俺もTevera先生と全く同じ意見だ。
今回の発掘調査についてだが、俺達は素晴らしい仲間達を得ることが出来たと思う。
どいつこもいつもしっかりした訓練と真面目な態度を身につけた有能な男達ばかりだ!
ただ、1つだけ不満な点を挙げるとするならば、ガイドの役割を果たせるような現地の情報に詳しい男がいないのが、俺としては不安だが。

 ・・・早くも俺の予感が的中した。
・・・ったく、墓の入り口のでっかい石の門が完全に掘り起こされるまでは、ほとんど順調に来ていたんだが・・・。
連中、何を思ったのか、大昔の墓を目の前にして不安そうな顔でひそひそささやき始めたんだ。
俺はどうしたもんかと考えを巡らせたさ・・・・
でもな、そんな心配なんて最初からする必要なんかなかった。
ここに集まった優秀な男達の中でも、俺は特に Thomas のことを誇りに思う。
奴の前の雇い主から警告されはしたが、それでも奴を雇ってよかったと思っている。
たしかに高いギャラを取るだけあって、彼はとびっきり有能な男だ。

 Thomas が男達を景気づけてくれたお陰で、発掘作業は猛烈なスピードで進んでいる。
この調子なら、明日までには墓の入り口を塞いでいる瓦礫を完全にどかすことが出来るだろう。


<2日目>
 今日、俺達はとうとう入り口の上にのしかかっていた瓦礫の山の最後の一つを運び終わった。
この巨大な石の門の全容が露わになったってことは、長い間眠り続けてきた Khal Ankur と彼の信奉者達の封印が、俺達の手によって解かれたということを意味するだろう。
・・・だが、この石の扉の封印を解くためには、実は、もう一つ別な手順を取らねばならなかった。

 扉には強力な魔法の結界が張り巡らされているらしい。
大の男達が束になってその門を押しても、その2枚の石の板がこそりとも動くことはなかったのだ。
男達につるはしとバールを置かせて休息を取らせると、俺は Lysander を呼んだ。

 Lysanderは扉の前に立つと、古めかしい魔法書を取り出し、奇妙な印をきりながら聞いたこともない言葉で何事かを唱えだした。
・・・俺は魔法に関してはそれほど詳しいわけではない。
だが、彼の本の上を走らせるその手の仕草、集中した面もちで唱えるその意味不明な言葉は、まさに小さい頃読んだ絵本や、祖父母の昔話に聞いた昔話に出てくる魔法使いのそれそのものだったよ。

 そして、信じられない、だが驚くべき事に、俺達発掘メンバーが何時間にも及んで押したり引いたりしても開かなかったそのドアは、Lysanderが静かに詠唱を終えたとき・・・そう、まさに彼が呪文の最後の一節を唱え終わり、古びた魔法書をパタンと閉じたすぐ次の瞬間、ひとりでに左右に開いたんだ!

その扉が開いたとき、俺はあいつの顔をかいま見た。
あいつは自分の呪文で扉が開いたということに感動していると言うよりは・・・
まるで扉が開くことを楽しみに待っていた・・・ そんな感じの表情だった。


<3~5日目>
 どうやら、俺はあまりにも慌てて昨日の日記を書いたらしいな・・・。
この古代遺跡は全ての秘密を俺達に置け渡す気は、これっぽっちもないらしい。
確かに墓の内部への道は開かれたさ。 ・・・だが、最初の部屋から奥の部屋へと続く全ての通路が、またもや瓦礫の山でもって埋まっているのがわかったんだ。

 ・・・奇妙な話なんだが、この瓦礫の山は、どうやっても地震やこの遺跡の骨組みの不安定さから生まれた物には見えない・・・。
悪態をつくようでなんなんだが、この石の山を見ていると、まるでどっかの誰かがこの墓ができた時にわざと積んでいったような、そんな風に思えてしまうんだ。
他人が聞いたら、「どこにそんな七面倒くさいことする奴がいるんだ?」って思うかもしれないが・・・
この石の成分は、この墓の周辺に転がっている岩とは明らかに構成が違っている・・・。
どちらかと言うと、俺達がパプアからここまで来る間に見かけた石にかなり似ているような・・・。

 そんなことが、俺に「まるで誰かがこの石の山を運んできて、通路を通れないように塞いだ」といった感じを与えたのだった。
・・・でも、もしそうだとしても、この墓を作った奴らはなんでまたいちいち遠くから石を運んできて積み上げたんだ?
この墓を作った石のあまりがたっぷりと残っていたのに・・・。
それに、なんでまたそんなことをする必要が?

 本当に解らない・・・。
俺はLysanderにこのことを話してみた。
他にもいくつか疑問に思っていたことがあったので、あいつの意見を仰いでみたのだ。
だが、あいつは俺の言うことなんかまるっきり聞いてくれてないようだった。
「大昔に地震があって、その間に地質が変わっただけだろう?」
あいつはぶっきらぼうにそれだけ言うと、黙って自分の仕事に戻っていた。
・・・ったく、気むずかしい爺さんだ!
・・・しょうがないから、俺もその後すぐに仕事に戻ることにした。


<6日目>
 昨日の夜、俺達のキャンプは俺が今までに見たこともない猛獣どもの群に襲われた。
長いことレンジャーをしているが、あんな風な獣は今まで見たこともない。
その巨大さ、その人間の人差し指ほどもある爪の鋭さ、その全身を覆った弧状の体毛の頑健さたるや、俺どころか、ほとんどの人間が見たこともない代物だっただろう。
・・・奴らの襲撃から身を守るため、俺達は墓の中に避難することを余儀なくされた。

 そして今日、Lysanderの爺さんは、ほとんど強制的に俺達の荷物を墓の内部へと運ばせている。
・・・確かに、あいつの意見はもっともだ。
あんな猛獣どもに再び襲われたら、今度こそ死者が出るかも知れない。
それに、俺は昨日の一件で墓が堅固な要塞としての役割をはたしてくれるということに気がついた。
ここなら、あの獣どもに襲われても安全だろう。

 ・・・だが、気にくわない。 理由ははっきりしないが、俺はここが嫌いだ。
なんだか嫌な感じがするその見かけも気にくわないが、特に嫌いなのはその音だ。
入り口から吹き込んだ風が地下通路をごうごうと音をたてて吹き抜ける・・・。
何度も何度も反響していくその音は、澄んだフルートの音とは似てもにつかない・・・
そう、まるで何者かの嘲笑のような、そんな音に聞こえるのだ。

 ・・・はぁ、ばかばかしい。
気のせいだ気のせい! ・・・・俺としたことが、ちょっとビビっちまったか?
とにかく、俺達は外に設営していたキャンプ一式を入り口の近くにある大きな部屋の中に運び込んだ。
・・・だから、ここではうなり声に怯えることもなく、安心して眠ることが出来るだろう。


<7-10日目>
 ・・・だめだ・・・耐えられない。気が狂いそうだ・・・!
俺達は今すぐにここから出ていくべきなんだ!
ここには何か邪悪なものが潜んでいる! ・・・放っておくのが一番だったものが・・・・。

 俺には聞こえる・・・ でも、他のみんなにはまだこの声は聞こえていないらしい。
でも、おそらくそのうち全員がこの声を聞くはめになるんだろうな・・・・。
石に刻まれた彫刻の手や爪が、激しく俺をあざ笑うかのような叫び声を上げている・・・・。
その手で俺の心をずたずたに引き裂こうとしている・・・
昼間、人夫達のつるはしの音の中でもかすかにそれは聞こえて来る!
そして夜には・・・ ありとあらゆる、様々な叫び声が、決して止むこともなく・・・・。
・・・まだ、俺以外には、誰も何も聞いていない。
俺達は今すぐにこの場所を離れるべきなんだ。 今すぐに!

 今日、3人の男達が行方不明になった。
Tevera先生は奴らが俺達をほったらかして逃げ出したんだと思っているらしい。
・・・もしそうだったら、奴らはなんと運がいいことか。
もう誰がなんと言おうと構わず、みんなでここから逃げ出した方がいい!
俺達は再び石を運んできて、全ての通路の前に積み上げ、この墓を未来永劫封印するべきなんだ!
・・・・かつて、先人達がそうしたように・・・・


<10-13日目>
 Lysanderといっしょに、さらに2人の人夫達が失踪した。
・・・俺は、最初は一番うるさいやつをやっかい払いできて清々した、と思っていた。
だが・・・ 違った。 ・・・奴は何かを知っていたに違いない!

・・・奴も、あの声を聞いていたに違いない。
この前俺がこの『声』についての話題をみんなに漏らしたとき、奴が・・・憎しみのこもった目で俺のことをにらみつけていたことを思い出す。
俺の精神をずたずたに引き裂き、頭の中から追い出すことさえ不可能なこの声を、奴もまた確かに聞いていたのだ。

 ・・・一体、奴は何を知っていたんだ!
俺が逃げ出すしかなかった物に、Lysanderは何を見いだしていた!?
そして、奴はどこにいってしまったんだ!?
・・・俺の問いかけに対する答えはなかった。
ただ、背後の岩の影から、不気味な嘲笑が高らかに聞こえてくるだけだった・・・。


<14-16日目>
 終わりだ・・・ もう終わりだ・・・ 何もかも・・・
俺の足下には死体の山が積み重なっている。
俺と Bergen とで、この狂気の中でなんとかバリケードを作り上げた。
俺達のキャンプのある部屋への進入を防ぐためのバリケードを・・・・。
・・・俺も彼と同じく、このバリケードが永遠に保つモノではないということは解っている。 けれど。

 死者達がやってきたんだ。 奴らは、俺達の目の前にLysanderを突きだした。
俺は奴の・・・ あの狂人の哀れな魂に同情したよ・・・・。
この悪夢の中では、誰もが永遠に死ぬことなど出来ない。
・・・そして・・・ たくさんの者達が、すでにその悪夢の中に捕らわれた。
俺達はこの恐怖の中に閉じこめられてしまったんだ!

 ・・・大勢の仲間が死んだ。 だが、一体何の為にだ!?
どんなとんでもない呪いが俺達の上に降りかかったっていうんだ!?

 哀れな Thomas・・・ 優秀だったあいつも、あの亡霊の騎士達の剣でズタズタに切り刻まれて死んじまった。
・・・あいつが化け物どもに喰われることがないよう、おれは小一時間かけて出来る限り
丁寧に奴を葬ってやった。 ・・・亡霊達が俺達を追ってくる、その前に。

 俺達はもう、進めない、戻れない・・・
もうだめだ・・・ もう、だめだ・・・


<17-22日目>
 戦闘は絶え間なく続いている・・・。
血が流れ止むことはなく、その量はまるで目の前の死体の山から赤い川が流れてきているようなものだ・・・。
そして、まだ赤い物がある。 俺の目の前の闇の奥に、無数の赤い光がちらちらと瞬いているのが見える・・・。
・・・奴らだ。

 俺の弓はもう完全にぶっ壊れてしまったので、今では剣を持って戦っている。
奴らから奪ったぼろぼろのなまくら刀だが、おれは数え切れないほどそれを振り回し、おびただしい腐った肉の山を築いてきた。

 そして Thomas ・・・ 彼は、そこにいた。 やつらの中に、そして俺のすぐ側にいた。
彼の顔はまっぷたつに切り裂かれていて、しかしまだ、死体どもの大群と一緒に再び切り倒されるまで、俺達に戦いを挑んで来た。
俺は確かに彼を埋めた。 ・・・なのに。

俺はまた、再び彼に会うのだろう。
次の間へ続く暗い通路のコーナーに、彼の死に際に残る炎のように赤い目が、俺を凝視しながら瞬いている・・・
地下室を満たす絶叫は、どれが俺ので、どれがあいつらの声なのか・・・
もう、わからない・・・


<23日目>
もう、死体を葬るのを、やめた。

ケース2 Tavara Sewel女史の日記(全13冊) - 犬神

2021/11/25 (Thu) 06:29:19

<第1日目>
 男達は、日暮れが近づきつつある中でも手を休めることなく我々の荷物をおろし続けている・・・。
私もそれに手を貸してしかるべきなんだとは思うのだけど、やっぱり私の好奇心を刺激してやまない、この石造りの荘厳な門の前から離れることは耐えられそうもない。
その頑丈そうな門の縁には、美しくも精巧な細工がいっぱいに彫り込まれていた。
・・・・ああ、これは夢じゃないのよね・・・・。

 その日、仲間達が私たちのキャンプを設置し、明日の発掘作業の準備をしているあいだ、私は描けるかぎりの墓所の外観のスケッチを描き、また整理できるかぎりの墓所に関する資料を整理した。
墓に刻まれた王のシンボルは、私に斬新かつ新鮮な想像力の羽ばたきをもたらしてくれている・・・・
・・・って言うのに、何人かの男達はこの紋章に奇妙なくらいの恐怖を覚えているらしい。
まったくもう、情けないったらありゃしない。

 ああ、本当に明日の朝が待ちきれないわ! この古代に作られた石の門が開かれたとき、私がこの10年間夢見続けていた全てのものが手に入るんですもの・・・。


<第2日目>
 私がこの墓所について聞き、読んでいたことは全て、間違いなく証明された。
・・・証明されたんだけど、その事実といっしょに私の目に飛び込んできた光景は、全く予期していなかったことだった・・・・。
・・・・Khal Ankurの墓所は、全然そのベールを脱いでなんかいなかったのよ!

 墓所のドアに刻まれていた精巧な石細工は、地下墓地全体を通して続いているらしかった。
1つ1つの部屋と廊下が、果てしないほどの記録に値する情報と知識を、私と私の仲間達に与えてくれていた。
・・・・もしもこの墓に関する伝説が全て本当だと証明されたなら、私がこの墓に関する資料を整理し終わるには、数年の歳月が必要なことだろう。

・・・悲しいのは、周辺の山々の山崩れによる地震のせいなのか、はたまた時の流れによるゆっくりとした浸食のせいなのかは知らないけど、墓所のかなりの大部分がひどい損傷を受けており、あるいは完全に崩壊してしまっているということだった。
多くの壁画や石細工にひびが入っていたり、ひどいものはぼろぼろに砕け散ってしまっている・・・。

 一番酷いのは、入り口のホールから中央ホールに抜ける通路の有様だといえるだろう。
実際の所、私たちが一番最初に発見したこの部屋から他の部屋へと続いているはずの通路は、全て瓦礫や小石の山によって埋もれていたのだった。
なんでこんな事が起こったのかを推測する人も居たけど・・・・、でも今日の午後がまるまるこの瓦礫の山を取り除くために使われるであろうということだけは明確であった。

 ・・・こんな感じのアクシデントはあったけれど、明日はどんな進展があるのだろうか、そんな考えに心を忍ばせていると、なんだかすごくワクワクする。
ああ、はやく明日にならないかしら・・・・


<第3~5日目>
 ったく、ここって場所が理解できないわ! 今の今まで私がしてきた努力のことなんか考えたくもない!
何か意地の悪いものが私たちがこの古代遺跡を調査するのをことごとく邪魔してるんじゃないかしら!?

 最初の通路の発掘はつい昨日終わったわ。
通路の入り口を塞いでいた呆れるほどの大量の土砂と瓦礫の山は、墓所の入り口の脇の所に巨大な山となって積み重なっている。
まるで私たちがこの憎ったらしい場所にトンネルを掘りにやってきたかのようにね!
・・・・けれども、仕事をやり遂げたという満足感はあっという間に叩きつぶされたわ。
通路の出口が別の瓦礫の山によって完全にふさがれているのを発見したときにね!

 忌々しいことだけど、こればっかりはどうしようもない。
私は今、他の男達が新たな通路の発掘をしている間に、このホールの太古の壁画を研究するための足場を作ってもらいながらこの日記を書いている。

 ・・・・ほんと、前途多難よねぇ・・・・


<第6日目>
 昨夜遅く、私達のキャンプは野獣の群に襲われた。
・・・巨大で、俊敏さと凶暴さを兼ね備えた、私が今まで見たこともないようなモンスターに。野生生物に関する知識が豊富なGrimmochでさえ、これらの獣がどのような種類のものなのか検討がつかないようだった。
もっとも、それは彼のハンターとしての技術が不足しているからではなく、奴らの動きが俊敏過ぎたのと、周りが深い闇に包まれていたからだと私は思っているけれど。

 恐ろしい襲撃は一晩中続き、ついに私達はこの貪欲な獣達から逃れるために墓所の内部に避難することを余儀なくされた。
Lysanderの魔法をもってしてさえ、この多勢による卑怯きわまりない襲撃を防ぐことは出来なかったのだ。
墓所は即興の要塞のような役割を果たし、我々は獣達に引き裂かれることなしにその夜を過ごすことが出来た・・・。
長い一夜が明け朝日が東の空から昇ってくると、地下でうずくまっていた私の耳に、野獣たちが悲鳴を上げながら遠ざかっていく声が感じられた。
急いで墓の外に出てみると、奴らの影も形もみえなくなっていて・・・ 奇妙なことに、そこには奴らの死体や、切り落とされたはずの奴らの手足の1カケラすらも残ってはいなかった・・・・。

 Lysanderは、野獣達が再び襲撃してきたときのことを考えて、男達に全ての物資と機材一式を墓所の内部に運び込むように指示を出していた。
・・・たしかに、あのような襲撃がたびたび起こったりしたら・・・
・・・それも、一人で居るときに奴らに一斉に襲いかかられたりでもしたら、まず確実に死に直面することになるのは明らかだものね・・・・


<第7日目>
 今、私はKhal Ankurの殉教者達が眠っている墓の上でこれを書いている・・・。
7つの死の守り手として知られる彼らは、彼らの忠誠心から主と一緒にこの地に眠ることを選んだのだ。
その他にもKhal Ankurの熱狂的な信奉者達の大勢が一緒に埋葬されたが、それら殉教者達の埋葬をするためにそれほど地位の高くなかった2人の信者が生き残り、最後には彼らもまたお互いの喉をかき切ってその身をKhal Ankurに捧げたようである。
・・・なぜそんなことがわかるかですって? 墓の入り口は外側から閉ざされていたわ。
そして、ここには手に古代のナイフを握った二つの白骨死体が横たわっている・・・

 本当に、こんなことまで伝説と同じだなんて・・・。
確かに、熱烈な信奉者達がその主の死に際して殉死することは、古代の墓所に置いては珍しいことではないけれど・・・、でも、だとしたら、この墓所のどこか地中深くに、数百をも越える死体が彼らが生きていたときに受けた命令を守りながら眠っているという伝説も、ひょっとしたら事実なのかも・・・・。

 正直に言うと、私は昨夜恐ろしい悪夢に苦しめられたの。
・・・・私はLysanderに、夜は見張りを立て、また、いくつかの堅固な防壁を築くということにして、墓の外にキャンプを築いた方がいいんじゃないかって提案してみたわ・・・・
でも、彼はそんな必要はないって鼻で笑いながら言っていた・・・。

 どうしても不安が頭から離れない・・・。
ばかみたいな話だけど、急に誰かにじっと見つめられているような、そんな感じさえして来ちゃった。 ・・・・今日はもう寝ましょ・・・・


<第8日目>
 今日は驚くほどの進展があった。こうして日記を書いている時でさえ、私の頭は今日の発見に興奮して猛スピードで回転し続けている。

 今日はもっとも西にあるホールを発掘し終わったのだが、その結果別の巨大なホールがその奥に広がっているということが明らかになった。
モザイク式の彫刻が壁とその縁にびっしりと刻み込まれているそのホールの広さもさることながら、同じくらい大量の本や巻物・羊皮紙がその部屋いっぱいに納められているってわかったとき、私は狂喜したわ。
きっと、この部屋は図書館か博物館のようにして使われていたのね!
このとんでもない量の古代の情報がぎっしりと詰まった部屋は、きっと私に数十をも越える研究課題を与えてくれるに違いないわ。
・・・まあ、この奇妙な文字で書かれた文章を、すぐにでも私が解読できたらの話なんだけど。
・・・あはは、ちょっと興奮しすぎちゃったかしらね?

 この喜ぶべき発見の詳細は、野蛮な男だとみんなから言われていたあのMorg Bergenによって、すみやかにノートに記録された。
彼は発掘調査にいくらかの進展が見えたことを、私と同じくらい喜んでくれている。
・・・・本当のことを言うと、彼が私達の発掘チームに参加してくれた最初の頃は、私は彼のはっきりしない素性をいくばくか怪しんでいたの。
でも彼はすぐに持ち前の機転のよさと、戦士としての確かな実力を証明してくれたわ。
LysanderとGrimmochが思い詰めたようなしかめっ面をしてこの墓の内部を調査しているときでも、彼は私と同じスリルをこの探検に見いだしているようだった。
今では私と彼はすっかり友達よ。 そして、彼の戦士としての強さとその気さくな笑い声に何度助けられたことか・・・。
私は、彼にとても感謝している・・・・。


<第9~10日目>
 次の通路を発掘する作業は中断された。
・・・夜のうちに、3人の人夫たちが失踪したからだ。

 Bergenは、一旦発掘を中止して全員パプアに引き返すべきだと声を大にして主張した。この人数で発掘を続けるには人数が足りない、と。
・・・でも、Lysanderはそうは考えてはいないようだった。結局のところ、この老魔導師が議論の途中で少々攻撃的ながらも説得力溢れる演説を展開したため、発掘メンバー全員が「もうしばらくこの場所で発掘作業を続ける」ということに同意して会議は終結した。

 ・・・・こんなことを言うのもなんだけど、彼が人夫達に対してまくし立てている時の、ぞっとするほどの憎悪に満ちたあの声は、私に酷いショックを与えた・・・・。
私はかれのことを、高い教育を受けた尊敬すべき紳士だと思っていたのに・・・・。

 ・・・人手が足りなくなった人夫達に混じって、部屋の内部への進入を拒み続ける瓦礫の山を片づけながら、私はBergenが言っていた「奴らは仕事が嫌になったんじゃない、この場所から逃げ出したいから失踪したんだよ」という言葉を忘れられなかった・・・・。


<第11~13日目>
 ・・・さらに2人の人夫達がいなくなった・・・。
しかももっと悪いことには、その2人に加えてLysanderまでがいなくなってしまったのだ。

 昨日の夜、私達は次のホールに行くための通路の発掘作業をおおかた終えた後、明日の朝までに発掘の疲れを癒すべく、早々と我々のキャンプに戻ったのだった。
・・・・あれは真夜中近くだろうか、私は奇妙な轟音が聞こえたような気がして目を覚ました。起きあがって様子をうかがってみると、例の野獣達の襲撃以来、私達のキャンプの入り口で見張りをしている男達が、Lysanderがどこにも居ないということを教えてくれた。
慌てて彼の行方を探し始めた私達が見たのは・・・・ ついさっきまで私達が掘っていたあの通路が、再び大量の土砂と瓦礫によって埋もれているという最悪な光景であった。

 私は、Lysanderがどこに行ってしまったのか見当もつかなかった・・・。
あの埋まってしまった通路の先にある部屋への通路は他にはない・・・ そして、私にはLysanderと他の2人の人夫達がこの場所から逃げだしたとも考えられないの。
・・・・考えたくはないけど、まさかLysander達はあの落盤のせいで・・・・
今思えば、最近の彼は熱狂的なほどにこの古の墓所の秘密が明らかになるのを待ち望んでいたような気がする。
遅々として進まない発掘作業に、彼は奇妙なくらいに熱中していたっけ。

 人夫たちは、今やその埋まった通路を再び掘り出すための作業を再開したようだった。
その絶え間ない土の音が墓所全体に響き渡るのを聞きながら、今も頭上からぱらぱらと降り注ぐ壁画のカケラを目にして、私はなにか恐ろしい呪いが私達の上に降りかかってきているんじゃないかと思ってしまうのだった。


<第14~15日目>
 Lysanderは帰ってきた・・・。
・・・そして、わたしは今感じているこの恐怖をどう表現したらいいのか見当もつかない・・・。

 落盤した瓦礫を取りのけて通路の奥に進むと、その途中に彼がつっ立っているのがわかったの。
・・・・信じられなかった。 彼は・・・・彼はすっかり変わり果てていた。
彼の髪はきたなく汚れてぼさぼさになり、彼の服もまたぼろぼろに破け・・・・べっとりと血が染みついていた。・・・いえ、彼の全身が血にぬらぬらと光っていたんだわ。遠くから見た私にも、彼の肌がランタンの光を反射して緋色に輝くのがわかったから・・・。
彼は分厚い錆ついたダガーを構え、彼に近づこうとする者を無表情に追い散らしすの・・・。
その攻撃のすさまじさたるや、私達の彼へのどんな接触をも許さないほどの激しさよ・・・・。
そして、血・・・・ 彼の武器から、手からとしたたり落ちて小川をなしているその血は、当然ながら彼自身のものではなかった・・・。
私達は、慎重に遠くから様子をうかがうしかなかったのよ・・・・。

 Morg Bergenはさっさと彼を殺してしまいたかったみたい・・・。
確かに、残念だけど私にもそうするしか道が残されていないことはわかっている。
・・・・だけど、彼の目に瞬く、なにか赤い光のようなものが・・・ それに、私は彼の強力無比な魔法の威力を思い出して身震いした。
今のところ、彼はめちゃくちゃにダガーを振り回しているだけだったけど・・・

 この光景を見ていると、何かが私の胃の中をかき回しているようないいようもない不安感に駆られてしまう。
何かが変わってしまった。 何かが私達の周りを取り巻く状況を変えてしまったのだ。
Lysanderはこの墓のせいで・・・ あるいは、この墓の中に潜む何かのせいで正気を失ってしまったのだろう。
私達はどうしたらいいのだろう? 急いで何らかの決断を下さなくちゃいけないのはわかっている・・・・、いるのだけど・・・・ああ、今日もまたこうして夜が更けていく。
Lysanderを放って帰ってしまえばいいんだってことも、わかっている。
・・・・だけど・・・・。


<第16日目:昼>
 ・・・こんな、こんなことになってまでも・・・ どうして、あたしは日記を書いてなんかいるのかしら・・・?
たぶん、たぶんこうして起こったことを記録しておくことが、・・・・私が正気を保っているための・・・・唯一の方法だから・・・・なんだと思う。
こうしてペンを取って書き始めたことが、私の心を、幾分か落ち着かせてくれるのが、この狂気の宴の中で冷静な判断力を呼び戻してくれるのが・・・・わかるから。

 Lysanderは、とっくに死んでいたの・・・。
Lysanderだけじゃないわ、居なくなった人夫達、・・・それに・・・
かつて、大昔にこの地で死んだはずの人たちも、確かに、確かに死んだはずなのよ!
・・・・私達は、この、この悪夢の中に閉じこめられてしまったの?
・・・・永遠に覚めることがない、悪夢の中に・・・?

 Lysanderは、どうしても私達を通そうとはしなかった。
彼は、辺り構わず怒鳴り散らし、憎悪をぶちまけ、全身を血でずぶぬれにしたまま、彼に近づこうとする全ての者に対してメチャクチャに古代のダガーを振り回していたわ。
彼は支離滅裂なことを口走りながら、私達に対して呪いの言葉を吐き、もっとも恐ろしいことには、私達全員が破滅するだろうとまで予言してのけたのだった。
Morg Bergenは、もう、そうする以外に方法が思いつかなかったのね・・・。
ついに、彼はLysanderの虚をついて飛びかかると、その脇腹めがけてハルバードによる必殺の一撃をたたき込んだのだった。

 普通なら、これで終わるはずだったわ。普通なら・・・。
・・・でも、それは狂ったメイジに終焉をもたらす一撃ではなかった・・・・。
ああ・・・・。 なんてこと・・・・。 Lysanderはすでに・・・・。 そして、その時だったわ・・・。 Lysanderの後ろから彼らが現れたのは・・・。
腐った墓の土を纏い、蛆と汚物にまみれた彼らが・・・。

 大きな音を立ててBergenがハルバードを取り落とすのを、彼は好奇心に満ちた表情で覗きこんでいたわ。
・・・その自慢げな表情を見て、私は一瞬彼が正気なんじゃないかって疑ったくらいよ・・・
次の瞬間、私とGrimmochは渾身の力を込めてBergenをLysanderの手の中から引き戻していたわ・・・。

 そして、さらにその次の瞬間、Lysanderの後ろに迫った死者の群が、自慢げに笑みを浮かべたままだったLysanderを地面に押し倒したの。
貪る音と共にうごめく、白骨化した手、腕、半分つぶれかけた顔、黄ばんだ骨にぶら下がる腐った肉、人間でないもの、だけど人間だったもの。
Lysanderの驚愕に満ちた絶叫の中、彼らはかつての私達の仲間で、そして今は彼らの仲間であるものを引き裂きすすり終わると、本能の向くままに従って、ゆっくりとこっちへと向かってきたのよ・・・。


<第16日目:夜>
 私達は走ったわ。他に私達に何が出来たって言うの!? 私達はその死者の大群に斬りかかるよりは墓の入り口に向かって全力疾走する方を選んだに決まってるじゃない!
・・・・悪夢よ、悪い夢よ! こんなことに対する準備だなんて、何一つ出来てるはずないじゃないのよぉ・・・・・。

 逃げ遅れた何人かは奴らに捕まったけど、それでもあたし達は走ったわ。
そして、このぞっとする墓所の入り口が見える、まさにそのすぐ近くまで来たときに、突然、すさまじい力のようなものが大地を駆け巡り、激しい地震が起こったの。
私達みんなは全員地面に投げ出され、手をつき、膝をついてしゃがみ込むしかなかった・・・。
闇は『それ』と一緒になってすさまじい振動を巻き起こしていた。 ・・・・そう、確かにあのとき、『それ』は私達の側に居たんだわ・・・。
・・・私達の悲鳴は、砕け散る岩石と降り注ぐ小石の轟音にかき消され・・・・

 ・・・そして、揺れが収まってみると地下墓地の入り口の面影は、影も形もなくなっていた。
・・・出入り口は完璧に岩石によってふさがれていて ・・・・私達は、この地下墓地の中に完全に閉じこめられたの・・・。
私達が助かったのは、Bergenの機転が、こんな時でもいち早く戻ってきたおかげだった。
あのとき彼は私とGrimmochの腕を引っ張ると、メインホールの方へと向けて今まで来た道を逆戻りし始めたの。
・・・それは、あの忌々しくもおぞましい、私達を追跡しつつある死者達の方向へと引き返すことだったけどね・・・・。
でも、私達はそうした。彼の信念の強さは、私達にもう少しだけでも生きながらえようと思わせるには、十分なくらいに強かったから・・・・。

 そのあと、私達は自分たちのキャンプの跡地まで引き返して、奴らの進入をくい止めるための防壁を張り巡らしたわ。
木と石でできた、お粗末な代物だったけど、ほんのつかの間くらいなら、あの悪夢の化け物達をくいとめることができるかもしれないから・・・。

 そういうわけで、今私はその防壁に寄りかかってこの日記を書いている。
・・・・・奴らのうめき声が、泣き叫ぶ声が遠くから微かに聞こえてくる・・・・。
彼らの足取りは遅く、足を引きずりながらの緩慢なものであるだろうけれども、その内彼らは必ずここにやってくる。 ・・・必ず。


<第17-18日目>
もう耐えられない・・・・もう我慢できない!

私は今では十分理解しているわ。
・・・あの地震が、大地の力で引き起こされたものじゃなかったって!
私でさえ『彼』の力を感じる。
私達がこの悪夢の中に封じ込められたのは、『彼』の意志・・・ 『彼』の力のせい!

もうバリケードは長くもたないわ・・・。彼らの数が多すぎるのよ・・・。
彼らが押し寄せる様は、まるで大海の波がさざなむようなもの。
・・・・止むこともなく、終わることもない。

私達が彼らの5体をうち倒すと、別の10体が起きあがって向かってくる。
奴らが波なら、私達はまるで砂ね。
さらわれまいともがいても、結局は押し流されて・・・
血の海の奥深くに、ようしゃなく投げ捨てられる。


<第19-21日目>
バリケードは、もうすぐ崩壊する。
彼らはやってくる。
すぐにでもやってくる。

さっき切り捨てた死体で、もう終わりにしようと思う。
私をむさぼり喰いたいというなら、喰わせてあげればいいんだわ。
それが、この墓の中に木霊する、恐ろしい叫び声を、悲痛なうめき声を止める・・・
・・・唯一の、方法なんだから・・・

・・・ふふ・・・たぶん、私のご先祖様は、許してくれないわね・・・
でも、もう終わりにしないと・・・
・・・終わらせないと・・・

・・・もう、疲・・・れ・・・・た・・・・・・

ケース3 何かを知っていた老魔術師Lysanderの日記(全6冊) - 犬神

2021/11/25 (Thu) 06:37:03

<1日目>
とうとう私はその前までやってきたのです。
何年にも及ぶ探索を経て、あなたの聖所の扉は、私に向かってようやく開くことになるのです。
Khal Ankur様、私はあなた様にこの身を捧げましょう。
あなたの秘密を知り、私はあなたに膝まづいてひれ伏しましょう。
守護者に祝福を、あなたには賞賛を。


<2日目>
Tavara Sewelという女には、我慢なりません。
彼女の行動には、いつも嫌気がさしています。
今、あなた様のために、私はあの女の命を捧げましょう。
しかし私は他の人にまで気を配っていられません。
進行は遅すぎて、私はこの永遠のような待ち時間に耐えられません。
今日、あなた様の聖所の入り口を覆っている瓦礫の残りを彼らが掘っていたので、私は作業員とともに膝まづいて、私のこの手で石や埃を横へ投げ捨てていました。
Sewelは、私の行動や、膝まづいて石を掘っていたことでのローブの汚れなどに、とても驚いていたようでした。
彼女は、私が気違いじみた学者たちや、彼女のため、または彼女が「発見の贈り物」と呼ぶもののためにこの行動を行っているのだと思ったようでした。
私はそんなものなど知った事ではないのですが!
ご主人様、私は、あなた様のためにやって参りました。
すぐに、私はあなた様の贈り物や祝福をいただけるでしょう。
もうしばらくの辛抱、永遠とも言える辛抱・・・
私はもっと良く学ばなければならないようです。
あなた様から教わったことですよ、ご主人様。


<3~6日目>
私たちの存在を拒むあの野獣どもは何なのです?
ご主人様、あなた様がお送りになったのですか?
わたしと一緒にいる馬鹿どもを引き裂くために?
あのいまいましいDrummelは、わたしたちのキャンプを襲った野獣どもの性質として、不条理でちゃちな理論を打ち立てましたが、私は彼の言葉など聞いてはいません。
彼は質問をしすぎるのです。
彼はあなた様の聖所の床の上の汚点と言えるでしょう、ご主人様。Sewelの次に、奴を始末しましょう。
そのSewelですが、あの醜い売女ときたら、私が「野営するキャンプを入り口の間に移すべきだ」と言ったところ、彼女の心配をして言っているんだと思ったようです。
私は、あなた様のために来ているんですよ。
あなた様の部屋の中にキャンプを張ります。そしてあなた様と同じ天井の下で眠りましょう。
今でさえ、私はあなた様の存在を感じることができるのです。
もうすぐ・・・ もうすぐです、ご主人様。


<7日目>
Sewelは、ひっきりなしにしゃべっています。さらに、あの女はあなた様のお名前を口にしました!
あの小さな首にナイフを突き立ててやれたらと、とても強烈に願いましたよ。
あの女は、あちこちに学者的見解なんてものを述べながら、あなた様の聖所のなかを、気取って歩いていました。
彼女の顔の皮を剥いで、本当は自分がいかに醜く邪悪なのかを見せてやりたかったのですが、あなた様の聖所の入り口には、ふさわしくありません。
しかし彼女をなんとかしなければなりません、ご主人様。
あの馬鹿女を、ずたずたに引き裂いてやらなければならないのです。
あなた様にお願いがあります、あなた様の聖所から、彼女の存在を消しても良いでしょうか。
あの女を私にくださいませ、そうすれば、その死に様をあなた様にお見せすることができるでしょう。
あの女を細かく切り裂いて、警告として他のやつらの前にばらまいてやります。
彼女の存在が我慢できないのです、耐えられないのです! Drummelも!
彼も、槍で突き刺されるべき、いまいましいやつなのです。
まるで病原菌のようなもので、私は奴を剣と火で浄化しなければなりません。
そのときは、彼の影も形も残らないようにしなくては。
あなた様に、賞賛を。
じきに、大勢の犠牲をもって、あなたに敬意を払ってさしあげます。もうすぐですよ・・・。


<8~10日目>
彼らをもう片付けましたか、ご主人様?
彼らは、道をふさぐ石の辺りで見つからなくなりました。
ご主人様、3人の作業員はどこへいってしまったのでしょうか?ああ、彼らに天罰を!
もし彼らがまた戻ってきたなら、私は彼らを細かく切り刻んで、まきの上で火葬してやりましょう。
あなた様のお力の警告として、見せしめにしてやりましょう!
彼らは、どうやって私を通り過ぎていったのでしょうか。
私は、壁に向かって眠っておりました、あなた様の御言葉をきき、息遣いを感じるために。
部屋から出入りした気配は、感じられないのですが。
彼らは、どこへ消えてしまったのです?あなた様が、彼らを片付けたのですか?
彼らは、本当にあなた様の御前から逃げ出したのでしょうか?
彼らが再びその姿を現したら、そのときは私が殺しましょう。
ご主人様、どうか私に力を与えてください。彼らをほんのすこし長生きさせるために。
彼らがその目的を達成し、私が彼らの血に覆われてあなた様の前に膝まづくまで。


<11~13日目>
もうすぐ、あなた様のところへたどりつきます。もうそこまで来ています!
道は明らかです。あなた様の軌跡を見つけました。そして、私の視界に入った二人の労働者の血で、その軌跡を清めました。
ああ、彼らを切り裂いて、その大量の血が溢れるのを眺め、その中に立ち尽くすことは、なんて気分の良いことだったことか!
Sewelもやる時間があったら・・・ いや、その時間はきっと十分あるに違いありません。
あなた様の忍耐というものを学びましたよ、ご主人様。今お側へ参ります。
苦痛とともに、あなた様のホールを歩いています。
このいまいましい炎の中を歩けば終りです。
あなた様と贈り物のために、やってまいりました、ご主人様。
khal Ankurであり、7つの死の守護者であり、選ばれしものの主導者であり、The Khaldun である、あなた様に栄光を!
全てのものの主であり、生と死の支配者であるあなた様の御名前に賞賛を!
Khal Ankur様、ご主人様、教祖様、今宵私はあなた様の下僕に加わりましょう、Khaldunの一員に!!

というわけで。 - 犬神

2021/11/25 (Thu) 07:41:53

バイオハザードの「かゆうま」の元ネタかもしれない。
そして確実にSAOの元ネタであるUOというMMO-RPG。

そのUOの中でもかなり過疎っていた僻地のダンジョンでは
あまりにも素敵な物語を綴った日記の一部がドロップするのです。
(落ちるのは全て英語の日記ですが)

今回はまとめ形式で全部日本語訳で見せましたけど
本来は○日目、みたいなのが全部個別のアイテムとして
(Grimmoch Drummel等、日記の著者の名前が付いている)
特定のゾンビを倒すとドロップします。

で、全て集めて自分で翻訳するとそのダンジョンの
秘められたエピソードが解る&攻略的な意味は一切なし!

たぶんもう、こんなネトゲは出てこないだろうなとも思うし
SAOってこんなゲームを元ネタにしているからこそ面白い!

本当にそう思うのですよ。

Re: 禁煙チャレンジ! - らんべん

2021/12/04 (Sat) 09:36:44

吸う

Re: 禁煙チャレンジ! - らんべん

2021/12/05 (Sun) 09:12:42

夜勤明けにもかかわらず、面白くって読み切ってしまった!

弁当が冷めてたww

冷め マズ・・

>>腹部腸 - 犬神

2021/12/11 (Sat) 00:39:45

読み物として面白かろう?

この日記の断片を、本物のPK連中に怯えながらも
コソコソと何年もかけて拾い集め続け
実際に何十回も殺されたあの日々w

その成果を展示する図書館を作るために翻訳版を作成
さらに(ゲーム内アイテムのノートに対して)
書写のスキルで翻訳した本を複製し販売。
なんていう遊びをしていた最古のMMORPG。

メモデフもだけど、それなりに良く出来た世界があれば
プレイヤーが勝手に遊びを作り出す事ができるんだよね。
(縛りとか、時限高難易度ボス祭りとか)

そういったシステム外(遊び)スキルって大事よねぇ。

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